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【講座概要】
接着シートは、その利便性と汎用性の高さから、電気・電子、自動車、医療、建築、土木、農業など、実に多岐にわたる分野で不可欠な存在です。特に、防水・防食、仮固定、表面保護、そして医療用途においては幅広く利用されていますが、その用途に応じて求められる機能や性質は大きく異なります。
本講座では、「粘着技術」の肝となる部分に焦点を当て、化学と構造設計の融合技術を重視します。メーカー側とユーザー側の両視点から見た評価方法とその意図について深く掘り下げて解説。さらに、以下の内容を通じて、接着シートに関する包括的な理解を深めていただけます。
本講演を通じて、粘着シートに関する包括的な理解を深め、メーカーとユーザー双方の視点から見た評価の重要性を再認識していただけます。また、複数の粘着シートメーカーの協力も得て、その特色と今後の展望についても具体的にご紹介し、粘着シートの進化とその可能性を探ります。
【受講対象】
ハード/メカ 設計者 粘着シート開発 若手など
【受講後習得できること】
・粘着シート開発の基礎とその提案のポイント
・粘着シートの活用方法、設計のポイント
・粘着シートの基本構成と材料別の特徴
・基本加工および基本的な特性とその応用範囲
・メーカーが求める仕様とその評価方法
・粘着力、耐久性、環境適応性などの重要なパラメータ
・具体的な評価基準と試験方法
・ユーザー評価の視点と実践的アプローチ
・実際の使用状況における性能や満足度
・ユーザーフィードバックに基づく改良点
・今後の製品開発における課題と展望
1.粘着シートの基本構成と加工、サプライチェーン
1.1 基本構成
1.1.1 両面テープ(ダブルセパ、シングルセパ)
1.1.2 片面テープの構成要素(粘着剤、基材、セパレーター)
1.2 粘着メカニズム
1.2.1 粘着強度の考え方
1.2.1.1 分子間力
1.2.1.2 アンカリング効果(物理的なかかり)
1.2.2 粘着の形態、種類、特徴
1.2.2.1 有機溶剤系
1.2.2.2 エマルジョン系
1.2.2.3 固形系
1.2.2.4 ホットメルト系
1.2.2.5 モノマーバーシロップ系
1.2.3 接着剤との違い、強度検討要素
1.3 基本加工やサプライチェーン基礎
1.3.1 基本加工の種類
1.3.2 サプライチェーンの基礎
2.粘着シートの構成・種類・特徴
2.1 ベース/基材: テープの特性を大きく決める中心層
2.1.1 材料
2.1.2 厚み
2.1.3 性能
2.2 粘着層:材料選択によってテープの「顔」が変わる
2.2.1 ゴム材料
2.2.2 アクリル材料
2.2.3 シリコーン材料
2.2.4 ウレタン材料 他
2.3 層構成:テープ開発においてコストと品質を大きく左右する要素
2.4 防水テープの選定例
3.粘着シートの評価方法(メーカー視点)
3.1 JIS Z0237(2009) 粘着テープ・粘着シート試験方法
3.2 主な試験方法
3.2.1 粘着力/ピール試験
3.2.2 剪断力
3.2.3 タック試験
3.2.4 伸び/引張試験
3.2.5 定荷重保持力
3.2.6 その他
4.粘着シート活用方法と選定時の留意点(ユーザー視点)
4.1 メーカー評価との視点の違い
4.2 求められる評価
4.2.1 粘着力
4.2.2 光学スペクトル
4.2.3 段差追従/曲面追従
4.2.4 防水性
4.2.5 リペア性
4.2.6 その他(高温、低温、温度サイクル、長期、ウェザー試験)
5.メーカー紹介とその得意技術
5.1河村産業株式会社
5.1.1 塗工(クリーンコーティング加工)
5.1.2 プラズマ表面処理
5.1.3 スリット加工
5.1.4 真空熱プレス加工
5.1.5 フィルムシート加工 他
5.2 DIC株式会社:
5.2.1 事業領域
5.2.2 研究開発の強み
5.2.3 防水テープの共同開発 #84シリーズ PEフォーム
5.2.4 易解体ソリューション DSAシリーズ
5.2.5 各種両面/片面テープ (最近トレンド)
5.3 共同技研化学株式会社
5.3.1 防水テープの共同開発 300Z 分子勾配膜
5.3.2 無溶剤高透明メークリンゲル
5.4 ソマール株式会社:
5.4.1 メーカー兼商社としての強み
5.4.2 再剥離テープ ソマタック 各種
5.4.3 耐熱UV剥離型粘着フィルム
5.4.4 耐熱再剥離粘着フィルム
5.4.5 耐熱帯電防止粘着フィルム
5.4.6 耐熱永久接着フィルム
5.4.7 その他、ソマタックWA(微粘着)、ソマタックUV(UV剥離)、ソマタックCR(冷却剥離)、ソマタックTE(熱剥離)
5.4.8 ダイシングテープ、工程内部材
6.まとめ
【質疑応答】
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