高級感、上質感を感じるメカニズムと定量化技術<セミナー>
        
“使いやすさ”の定量評価と製品設計への落とし込み方
 
 
<セミナー No.512506>
【Live配信】

★人は何をもって高級・上質と感じるのか!曖昧な感性をどのように定量化するのか!!
★高級感を感じる色彩、形状、触感とは何か!どのように評価するのか!!

高級感、上質感を感じるメカニズムと定量化技術


■ 講師
1.

広島国際大学 心理学科 教授 石原 茂和氏

2. (株)日本カラーデザイン研究所 シニアフェロー(社外研究員) 稲葉 隆氏
3. 広島市立大学 大学院情報科学研究科 准教授 梶山 朋子氏
4. 慶應義塾大学 理工学部 教授 竹村 研治郎氏
■ 開催要領
日 時

2025年12月25日(木)10:00〜17:15

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき66,000円(消費税込み、資料付) 
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込)〕

大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい。

■ プログラム

<10:00〜11:30>

【第1部】「高級感」とは何か?感性工学的手法による評価・分析

広島国際大学 心理学科 教授 石原茂和氏

【講演趣旨】
高級感と日常的,一般的に言われるが、実際には文化や時代の文脈に依存して移り変わる複合的な概念である。その構成要因を明らかにするには分析的思考も数理的な分析も不可欠である。感性工学では、1970年代に長町三生氏が提唱し、相関係数を用いて感性語間の関係を数理的に分析する。この手法により、「高級感」を構成する関連概念やデザイン要因を明らかにできる。本講座では、実際の商品開発や感性評価の事例を通して、高級感の構造と分析手法を探る。

【講演項目】
1.高級に感じるとはなんだろう

2.感性とは

3.感性の測定方法,分析方法

4.感性工学2類の詳細手順:実際の分析例を見ながら解説します
  4.1 感性ワード選択
  4.2 感性評価実験
  4.3 多変量解析

5.これまでの感性工学の実践例:乗用車インテリア,エクステリア,家電製品

6.移り変わる高級感の概念をどうやって捉えるか,SNSからのAIをつかった洞察

【質疑応答】


<12:15〜13:45>

【第2部】高級感を感じる色彩表現と感性評価手法

(株)日本カラーデザイン研究所 シニアフェロー(社外研究員) 稲葉 隆氏

【講演趣旨】
プロダクトやサービスの開発では、高級感など何らかのコンセプトをわかりやすく 魅力的にデザイン表現することが大切である。その際、色彩にはさまざまな感覚的・ 情緒的な印象を喚起する力があるため、適切に色彩を用いると非常に効果的といえ る。しかし色彩表現は主観的な要素が強く客観的に把握することが難しいと考えられ やすい。そこで本講演では、色彩感情研究を元に考案された感性評価手法を紹介し、 色彩表現による高級感訴求について解説する。また、この感性評価手法は色彩表現だ けでなく造形表現・質感表現にも適応でき、かつ、ユーザーの嗜好性を整理し類型化 することにも役立てることができる。

【講演項目】
1.色彩表現を整理し評価するための2つの手法
  1.1 色彩を属性により把握する手法
  1.2 色彩を感性により評価する手法

2.デザイン表現の感性評価
  2.1 デザインのイメージ分析
  2.2 モノ・デザインとヒト・嗜好を結び付ける

3.色彩と質感に共通する感性尺度

4.高級感のカラーデザイン表現
  4.1 高級コンセプトの基本パターン
  4.2 パッケージにみるコンセプトのカラーデザイン表現


【質疑応答】


<14:00〜15:30>

【第3部】商品の色彩・形状に対する印象評価と高級感

広島市立大学 大学院情報科学研究科 准教授 梶山 朋子氏

【講演趣旨】
色彩や形状は人に固有の印象を与えるため、商品パッケージにおいて重要な要素の1つである。 講演者はこれまでに、色彩や形状と印象の関係性を表現したデータベースを構築し、 商品パッケージにおける色彩や形状の変化が与える影響について研究をすすめてきた。 本講演では、印象を反映させた商品パッケージの生成とその応用について、研究事例とともに紹介する。

【講演項目】
1.商品パッケージにおける色彩や形状の役割
  1.1 購買活動における期待度と満足度
  1.2 色彩や形状が与える影響

2.感性データベースの構築
  2.1 印象と色彩の関係性
  2.2 印象と形状の関係性

3.印象を反映させた商品パッケージの生成
  3.1 飲み口を色彩で表現した飲料パッケージ
  3.2 消費者ニーズを形状で表現したリップケース

4.視線情報を活用した商品パッケージの活用例
  4.1 購買動機の推定
  4.2 興味や嗜好の推定

【質疑応答】


<15:45〜17:15>

【第4部】高級感ある触感の定量評価のための
                計測と官能評価、モデリングの方法

慶應義塾大学 理工学部 教授 竹村 研治郎氏

【講演趣旨】
触感はモノの価値を決める重要な要素であるものの、視覚や聴覚に比べて工学的な理解と利用が遅れている。これは、つるつる、ざらざら、高級な、落ち着く、など言葉で表現される触感を定量的に測定して客観的に理解する方法が確立されていないためである。  本講演では、皮膚に存在する触覚受容器の特性に基づく定量データの取得方法、適切な官能評価と分析によるヒトの触感知覚構造の構築、ならびに、これらを統合した触感定量評価モデリングの方法を統計解析および機械学習の側面から解説する。

【講演項目】
1.触感とは?
  1.1 触覚と触感の違い
  1.2 触感の重要性と難しさ

2.触感知覚のメカニズム
  2.1 皮膚の構造と機械受容器
  2.2 機械受容器の種類と特性、工学的な理解
  2.3 触感を表す形容詞と分類
  2.4 形容詞同士の関係を表す階層的触感モデル

3. 官能評価
  3.1 官能評価実験の方法
  3.2 抽象的言語表現のベクトル化
  3.3 階層的触感モデルの構築に必要な主成分分析、重回帰分析、クラスター分析
  3.4 官能評価の分析からわかること

4.触感に関係する物理量
  4.1 物理量の測定方法
  4.2 機械受容器の特性を考慮したデータ処理
  4.3 物理量の測定結果からわかること

5.触感の推定式と検証(具体例)
  5.1 物理量と触感主成分の関係式
  5.2 触感推定結果と検証

6.まとめと社会実装例

【質疑応答】