第1章
総説 持続可能な社会の実現におけるゲノム編集技術に対する期待
〈田部井 豊〉
1. はじめに
2. 持続可能な開発とゲノム編集技術
3. 品種育成におけるゲノム編集技術の分類と取扱
4. ゲノム編集生物の社会実装に向けて
5. まとめ
第2章 DNA編集技術
1. CRISPR/Casによるゲノム編集技術―総論
〈刑部 敬史,和田 直樹〉
1. はじめに
2. CRISPR/Cas9とは
3. CRISPR/Cas9の課題と改良
4. 新しいゲノム編集技術の開発
5. まとめ
2. CRISPR/Cas システムの改良と応用
〈遠藤 真咲,土岐 精一〉
1. はじめに
2. Cas の人工改変による標的配列の制約緩和
3. SpCas9-NG を利用した塩基置換導入
4. proxy-CRISPR による変異効率向上の試み
5. 標的配列近傍にランダムな変異を入れる技術 ― EvolvR
6. まとめ
3. DNA切断酵素
〈中村 崇裕〉
1. はじめに
2. ゲノム編集の概念
3. ジンクフィンガーヌクレアーゼ(Zinc-finger nuclease:ZFN)
4. TALE ヌクレアーゼ(TALEN)
5. CRSIPR/Cas
6. PPR ヌクレアーゼ(PPRN)
7. ゲノム編集のアプリケーション
8. 今後の展望
4. デアミナーゼを利用した切らないゲノム編集“塩基編集”技術の基礎と応用
〈吉岡 伸,鈴木 貴久,西田 敬二〉
1. はじめに
2. 塩基編集技術の概要
3. 塩基編集技術のバージョン
4. 塩基編集技術の選定基準
5. 標的配列の基礎デザイン
6. 塩基編集技術の使用目的
7. 塩基編集技術の使用法
8. 塩基編集の評価とオフターゲット
9. 塩基編集技術の応用展開
10. まとめ
5. RNA 操作技術(transcriptome engineering)
〈中村 崇裕〉
1. はじめに
2. RNA の働き
3. RNA 操作技術について
4. PPRタンパク質について
5. 人工PPRタンパク質の構築
6. PPR 技術を用いたRNA 操作アプリケーション
第3章 導入技術の進歩
1. 植物における相同組換えを利用したジーンターゲッティングによる精密なゲノム編集技術
〈横井 彩子,土岐 精一〉
1. はじめに
2. GT 細胞を効率よく選抜する方法の開発
3. 相同組換え効率を向上させる試み
4. 相同組換えの鋳型DNA デリバリーの効率化
5. 今後の展望
2. 植物ゲノム編集の効率化を目指した発現制御と導入技術
〈宮地 朋子,刑部 祐里子〉
1. はじめに
2. 植物における高効率CRISPR/Cas9
3. 植物のCRISPR/Cas9 導入法
4. まとめ
3. 茎頂を標的としたゲノム編集酵素導入技術iPB 法の開発
〈濱田 晴康,今井 亮三〉
1. はじめに
2. 既存のin planta 形質転換法
3. iPB 法
4. iPB 法を用いたゲノム編集への応用
5. まとめ
4. アグロバクテリウムの一過的発現(アグロ変異法)
――アグロバクテリウムを用いた DNA 切断酵素の一過的発現による高等植物のゲノム編集
〈安本 周平,梅基 直行,村中 俊哉〉
1. 外来遺伝子を保持しないゲノム編集系統の作出
2. アグロバクテリウムを用いた植物の形質転換系
3. アグロバクテリウムを用いたDNA 切断酵素の一過的発現によるゲノム編集
4. 作出されたゲノム編集系統における外来遺伝子残存の検定
5. イネ受精卵へのCas9 タンパク質-gRNARNP 導入によるゲノム編集
〈加藤 紀夫,戸田 絵梨香,岡本 龍史〉
1. はじめに
2. イネ科作物の受精卵
3. イネ受精卵への物質導入
4. イネ受精卵へのCas9 タンパク質-gRNA 発現プラスミドDNA 導入によるゲノム編集イネの作出
5. イ ネ受精卵へのCas9-gRNA RNP導入によるゲノム編集イネの作出
6. まとめ
6. ゲノム編集生物を作製する際の注意点 〜マウスで得られた教訓〜
〈荒木 正健,荒木 喜美〉
1. ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変マウスの作製
2. 受精卵を用いたゲノム編集マウスの作製
3. ES 細胞を利用したゲノム編集マウスの作製
4. ゲノム編集マウスを作製・解析する際の注意点
7. 大規模シーケンシングによる外来性DNA の検出
〈伊藤 剛〉
1. はじめに
2. 検出すべき外来性DNA の長さ
3. 塩基配列データ処理の考え方
4. 全ゲノム解読の網羅性の問題
5. NGS データ解析の手順
6. 今後の展開
第4章 ゲノム編集の規制をめぐる各省の対応
1. ゲノム編集生物に対する「 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」上の取扱方針について
―環境省 .
〈田部井 豊〉
1. はじめに
2. カルタヘナ法の規制対象範囲について
3. カルタヘナ法に規定された「 遺伝子組換え生物等」 に該当しない生物の取扱について
4. ゲノム編集生物の取扱の今後について
2. 研究段階におけるゲノム編集技術で得られた生物の取扱いについて―文部科学省
〈津田 麻衣〉
1. はじめに
2. 研究段階におけるゲノム編集技術で得られた生物の取扱いについて
3. まとめ
3. ゲノム編集技術の利用により得られた生物であってカルタヘナ法に規定された「遺伝子組換え生物等」に該当しない生物の取扱い及び当該生物を拡散防止措置の執られていない環境中で使用するに当たっての情報提供について―経済産業省
〈小出 純〉
1. はじめに
2. 情報提供の依頼に当たっての考え方
3. 経産省通知により使用等に先立ち求める情報の項目
4. 参考資料
5. 記載例
6. 情報の提出先等
7. まとめ
4. 農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の生物多様性影響に関する情報提供等の具体的な手続について―農林水産省
〈農林水産省消費・安全局農産安全管理課〉
1. はじめに
2. 対象生物の使用等に当たっての手続
3. まとめ
5. ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生法上の取り扱いについて―厚生労働省
〈近藤 卓也〉
1. はじめに
2. 品種改良
3. 検討の背景
4. 審議会報告書
5. ゲノム編集技術応用食品および添加物の食品衛生上の取扱要領
6. まとめ
第5章 ゲノム編集技術の知財と国際動向
〈橋本 一憲〉
1. はじめに
2. ゲノム編集技術の基本特許の動向
3. 最終成果物に対する基本特許の効力
4. 基本特許が研究開発に与える影響と対応
5. 国産ゲノム編集技術の開発と戦略的活用
第6章 ゲノム編集をめぐる海外における規制動向
〈松尾 真紀子,立川 雅司〉
1. はじめに―海外の研究開発動向と市場化状況
2. 諸外国における規制・管理動向
3. まとめ |