第1節 ゲノム編集の技術的問題点
1.切断されたDNAの修復に伴う問題
2.オフターゲットの問題
2.2 オフターゲットの原因(その1):同じ塩基配列が異なる遺伝子に存在する場合
2.3 オフターゲットの原因(その2):ガイドRNAによるDNA塩基配列のミスマッチ
2.4 オフターゲットの原因(その3):遺伝子のスプライシング
2.5 オフターゲットの原因(その4):ゲノム編集に使うDNA分解酵素やgRNAの濃度
3.マーカー遺伝子の問題
4.予期しない蛋白質の発生
第2節 ゲノム編集におけるオフターゲットの回避と低減
1.CRISPR-Cas9システムにおけるオフターゲット効果の問題
1.1 標的配列以外の領域においてDNA切断をもたらすCRISPR-Cas9の特性
1.2 DNA切断部位に望まない変異をもたらすCRISPR-Cas9の特性
2.Cas9変異体の利用によるオフターゲット効果の低減
2.1 ニッカーゼCas9を利用したCRISPR-Cas9システムによるオフターゲット効果の低減
2.2 ドナーDNAを用いずにニッカーゼCas9を利用するための新たなCRISPR-Cas9システム
2.3 オフターゲット効果が低減された高忠実度Cas9変異体の開発
第3節 切らないゲノム編集の展開
1.切るゲノム編集の課題
2.塩基編集
2.1 塩基編集技術の基本原理
2.2 塩基編集技術のバリエーション
2.3 オルガネラ塩基編集
3.塩基編集のオフターゲット
3.1 切らないゲノム編集技術の信頼性と安全性
3.2 塩基編集特有のオフターゲットと評価
3.3 オフターゲット低減へのアプローチ
4.その他の切らないゲノム編集派生技術
4.1 プライム編集(Prime editing)
4.2 遺伝子発現操作(CRISPRa/i)、RNA編集、エピゲノム編集
5.まとめ
第4節 切らないゲノム編集技術の開発と疾患原因遺伝子の修復
1.CRISPR-Casシステムの概要
1.1 CRISPR-Casシステムの原理
1.2 CRISPR-Casシステムの臨床利用
1.3 CRISPR-Casシステムの安全性への危惧
2. ゲノムDNAを標的とした塩基編集技術
2.1 基本原理
2.2 疾患治療へのアプローチ
2.3 DNA塩基編集の課題
3. ミトコンドリアDNAを標的とした塩基編集技術
4. RNAに対する塩基編集技術
5.プライム編集技術
5.1 基礎原理
5.2 疾患治療へのアプローチ
5.3 課題と解決策
第5節 遺伝情報の精密さを100倍以上に向上させるgRNA技術
1.CRISPR-Cas9の問題点
1.1 オフターゲット問題
1.2 困難なアレル選択的編集
1.3 再変異(re-editing)誘導
1.4 DSBによる細胞毒性
1.5 低いHDR効率
2.Cas9活性調節による精密編集の最適化
2.1 活性調節[C]gRNAの開発
2.2 [C]gRNAによるオフターゲット抑制
2.3 [C]gRNAによるアレル選択的編集
2.4 [C]gRNAによる精密編集
2.5 [C]gRNAによる細胞毒性緩和
2.6 Cas9活性とゲノム編集アウトプットの関係
第6節 生体内での有効な新しいゲノム編集技術:HITIとその派生技術
1.生体内ゲノム編集技術を用いた遺伝病の遺伝子治療
1.1 従来の遺伝子治療法
1.2 ゲノム編集治療
2.ゲノム編集技術の基盤原理と生体内への応用
2.1 DNA修復機構とゲノム編集技術
2.2 細胞周期とゲノム編集技術
3.生体内ゲノム編集技術とゲノム編集治療技術の開発
3.1 遺伝子ノックアウトを用いた生体内ゲノム編集と治療応用
3.2 HDR法を用いた生体内ゲノム編集と治療応用
3.3 HITI法の開発とゲノム編集治療への応用
3.4 SATI法の開発とゲノム編集治療への応用
3.5 HITI-TE法の開発とゲノム編集治療への応用
3.6 Gene-DUET法の開発とゲノム編集治療への応用
3.7 その他の生体内ゲノム編集治療技術
第7節 ゲノム編集動物を作製する上での「正確性」に関する技術と課題
1.受精卵を介したゲノム編集における一般的な「正確性」
1.1 オフターゲットリスク
1.2 オンターゲットリスク
1.3 ノックインにおける予期しないリスク
2. 変異導入アレルの正確な解釈
2.1 変異導入≠ノックアウト
2.2 欠失が発現亢進を引き起こすケース
2.3 欠失が他の遺伝子の発現に影響するケース
2.4 ドミナントネガティブ体
4.リファレンスゲノムについての課題
5.今後の展望
第8節 ゲノム再編成による遺伝子機能への理解とバイオものづくりへの応用
1.バイオものづくりにおけるDBTL サイクル
1.1 バイオエコノミー実現に向けた社会の動きと課題
1.2 DBTL サイクルによるバイオものづくり
2.TAQing システム
2.1 CRISPR/Cas9 システムと SCRaMbLE 法によるゲノムエンジニアリング
2.2 TAQing システムの原理
2.3 TAQing の改良型技術
2.4 TAQing システムの今後
3.再編成ゲノムの解析と合成
3.1 TAQingシステムによる遺伝子マッピング手法の開発
3.2 最小改修ゲノムによる有用株の作成
第9節 遺伝子改変動物作製における先進技術の開発
1.ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物の作製
2.ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物作製法
2.1 マイクロインジェクション法を用いたゲノム編集動物作製法
2.2 マイクロインジェクション法による受精卵への核酸導入
2.3 マイクロインジェクション法の現状
3.テイク法(受精卵エレクトロポレーション法)によるゲノム編集動物作製法の開発
3.1 エレクトロポレーション法による細胞への核酸導入
3.2 エレクトロポレーション法による受精卵への核酸導入法の開発
3.3 テイク法による遺伝子改変動物の作製の現状と応用
3.4 テイク法の現状
4.卵管内の受精卵へのエレクトロポレーション法によるゲノム編集動物作製法
4.1 卵管内の受精卵へのエレクトロポレーション法によるゲノム編集動物作製法
4.2 卵管内の受精卵へのエレクトロポレーション法の現状
第10節 rGONAD法による遺伝子改変ラットの作製法と摂食抑制ホルモン・ニューロメジンU欠損ラットの表現型の解析
1.少量のDNAで解析を可能とするCIRCLE-seq法の確立
2.改良版CIRCLE-seq法(CRISPR-KRISPR法)によるオフターゲット部位の検出と検証
2.1 オフターゲット編集の解析に用いたサンプル群
2.2 CRISPR-KRISPR法を用いたオフターゲット候補部位の検出
2.3 CRISPR-KRISPR法で検出されたオフターゲット部位の検証
3.CRISPR-KRISPR法のランダム挿入部位探索への応用
3.1 CRISPR-KRISPR法によるランダム挿入部位の探索戦略
3.2 CRISPR-KRISPR法によるランダム挿入候補部位の検出と検証
3.3 ssDNAドナーのランダム挿入部位の特徴
4.CRISPR-KRISPR法の利点と課題
5.CRISPR-KRISPRの解析フローチャート(実験手順)
第11節 CRISPR-KRISPR:ノックイン実験に用いたドナーDNAの挿入領域を同定する方法
1.少量のDNAで解析を可能とするCIRCLE-seq法の確立
2.改良版CIRCLE-seq法(CRISPR-KRISPR法)によるオフターゲット部位の検出と検証
2.1 オフターゲット編集の解析に用いたサンプル群
2.2 CRISPR-KRISPR法を用いたオフターゲット候補部位の検出
2.3 CRISPR-KRISPR法で検出されたオフターゲット部位の検証
3.CRISPR-KRISPR法のランダム挿入部位探索への応用
3.1 CRISPR-KRISPR法によるランダム挿入部位の探索戦略
3.2 CRISPR-KRISPR法によるランダム挿入候補部位の検出と検証
3.3 ssDNAドナーのランダム挿入部位の特徴
4.CRISPR-KRISPR法の利点と課題
5.CRISPR-KRISPRの解析フローチャート(実験手順)
第12節 受精卵を用いたDNAフリーゲノム編集イネおよびトウモロコシの作出
1.DNAフリーゲノム編集イネの作出
1.1 顕微受精法によるイネ受精卵の作出
1.2 PEG-Ca2+法によるイネ受精卵への物質導入
1.3 Cas9-gRNA RNP導入によるDNAフリーゲノム編集イネの作製
2.DNAフリーゲノム編集トウモロコシの作出
2.1 供試品種の選定
2.2 受精卵の単離
2.3 プラスミドの導入と導入後の受精卵の発達
2.4 培養方法の検討
2.5 ゲノム編集ツールの導入
2.6 植物体の解析結果について
3.今後の課題・展望
3.1 実験に供する受精卵の質について
3.2 他植物種への応用
3.3 単離直後の受精卵の保管方法について
3.4 受精卵への物質の導入方法
3.5 ゲノム編集当代植物のキメラ状態について |