耐熱樹脂  設計 セミナー
        
次世代パワーデバイスに向けた高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
電子機器の放熱・冷却技術と部材の開発
 
<セミナー No.410415>
【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★樹脂の高耐熱化に向けた設計指針を徹底解説

★トレードオフとなる物性の両立に向けた設計のポイントとは

エポキシ樹脂を中心とした
耐熱樹脂の設計技術

 


■ 講師
1. 横浜国立大学 岩手大学 横浜市立大学 客員教授  工学博士 高橋 昭雄 氏
2. 近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科 教授 博士(工学) 須藤 篤 氏
3. 大阪ガスケミカル(株) ファイン材料事業部 酉島製造センター 第3チーム マネジャー 安田 祐一郎 氏
4. 三菱ケミカル(株) アドバンストソリューションズ統括本部 技術戦略本部 情電技術部 パッケージエレクトロニクスグループ 絶縁材セクション 研究員 吉村 凌 氏
5. DIC(株) ケミトロニクス技術本部 ケミトロニクス技術1グループマネジャー 下野 智弘 氏
■ 開催要領
日 時 2024年10月28日(月) 10:00〜17:10
会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき66,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
         詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

※定員になり次第、お申込みは締切となります。

■ プログラム

<10:00〜11:30>

1.エポキシ樹脂及びその変性による高耐熱化とパワーモジュール用材料への応用

横浜国立大学 岩手大学 横浜市立大学 高橋 昭雄 氏

 

【講演ポイント】
 エポキシ樹脂は、エレクトロニクス、塗料、C-FRP等の構造材料等の広分野で多用され、性能、機能面で大きく成長している。IoT、クラウド、AI等のデジタル革命及びSiC 等の省エネデバイスを駆使したエネルギー革命でも重要な役割を果たしている。
 本講演では、パワーデバイス用封止材向け樹脂に求められる要求特性、エポキシ樹脂の変性による高耐熱化のアプローチを最新の技術動向を交えて解説する。

【プログラム】
1.パワーデバイス用封止材向け樹脂に求められる要求特性
 1.1 発電から電力消費に至るSiCパワーデバイスへの期待
 1.2 パワーモジュールの技術と材料の市場動向
 1.3 シミュレーションによる樹脂特性の設計
2.エポキシ樹脂の高耐熱化アプローチ
 2.1 物理的耐熱性と化学的耐熱性
 2.2 架橋密度、分子間相互作用の効果
3.エポキシ樹脂変性による高耐熱化アプローチ
 3.1 エポキシ変性ベンゾオキサジン樹脂
 3.2 エポキシ変性シアネートエステル樹脂
 3.3 ビスマレイミドによるエポキシ樹脂の高耐熱化
4.エポキシ樹脂の強靭化
5.ベンゾオキサジン変性ビスマレイミド樹脂とその応用

【質疑応答】


<12:10〜13:20>

2.米ぬか由来myo-イノシトールを原料とする高耐熱性高分子の開発

近畿大学 須藤 篤 氏

 

【講演ポイント】
 持続可能社会を構築するうえで、再生可能資源を用いた高分子素材の開発は重要な位置づけにあります。
 本講座では、高分子合成の原料として、米糠から得られる天然化合物myo-イノシトールを取り上げ、その構造上の特徴を生かした利用、特に剛直骨格をもつモノマーへの変換について解説いたします。

【プログラム】
1.myo-イノシトールとは
2.剛直なジオール・トリオールへの誘導と利用
 2.1 縮環構造をもつジオールの利用
 2.2 オルトエステル誘導体の利用
3.剛直骨格をもつ多官能モノマーへの誘導と利用
 3.1 多官能メタクリラートへの誘導とラジカル重合
 3.2 エポキシ樹脂への誘導と硬化反応
4.myo-イノシトールとフルフラールの組み合わせによる新たなモノマーの開発

【質疑応答】


<13:30〜14:30>

3.エポキシ樹脂へのフルオレン骨格導入による高耐熱性、柔軟性の付与

大阪ガスケミカル(株) 安田 祐一郎 氏

 


【講演ポイント】
 大阪ガスケミカルはフルオレン骨格を有する樹脂・有機化合物を多種製造販売している。
 本講座ではフルオレン誘導体の基本的な特徴(高屈折、低複屈折、顔料分散、低硬化収縮、高耐熱性等)と、エポキシ樹脂にフルオレン骨格を導入した際にどのような特性を与えるかについて紹介する。特に実際に特徴となる物性例を紹介し、フルオレンエポキシ樹脂によって硬化物の耐熱性と柔軟性のトレードオフを打破する方法を紹介します。

【プログラム】
1.フルオレンとは
 1.1 フルオレンの特徴(高屈折率、低複屈折、高耐熱、樹脂分散性、カーボン親和性等)
 1.2 フルオレンの用途例
2.フルオレン骨格を有する熱硬化性樹脂(エポキシ)
 2.1 特性例(耐熱性・柔軟性・CB分散性・屈折率)
 2.2 主な用途例
3.フルオレン骨格を有するエポキシ硬化剤化合物
 3.1 ラインナップ(フェノール、アミン、酸無水物)
 3.2 特性例
4.その他のフルオレン材料のご紹介
5.お知らせ

【質疑応答】


<14:40〜15:50>

4.エポキシ樹脂における高耐熱化の設計技術―分子設計/マレイミドとの配合設計―

三菱ケミカル(株) 吉村 凌 氏

 

【講演ポイント】
エポキシ樹脂と耐熱性要求の背景について述べた後、ガラス転移点、耐熱分解性、熱伝導性の3つの観点から、高耐熱性化の設計方針と開発事例を説明する。また、フェノキシ樹脂についても同様に設計方針と開発事例を説明する。最後に、最新の開発事例として、マレイミド樹脂の複合化による高耐熱化についても説明する。

【プログラム】
1.背景
 1.1 エポキシ樹脂の概要
 1.2 耐熱性要求の背景
2.エポキシ樹脂の高耐熱化
 2.1 ガラス転移点の向上
 2.2 耐熱分解性の向上
 2.3 熱伝導性の向上
3.フェノキシ樹脂の高耐熱化
 3.1 ガラス転移点の向上
 3.2 熱伝導性の向上
4.複合化による高耐熱化
 4.1 エポキシ樹脂への異種熱硬化性樹脂の複合化
 4.2 エポキシ樹脂へのマレイミド樹脂の複合化
 4.3 マレイミド樹脂の高耐熱化/高強度化
5.総括

【質疑応答】


<16:00〜17:10>

5.高耐熱性エポキシ樹脂・ベンゾオキサジン樹脂の分子設計

DIC(株) 下野 智弘 氏

 

【講演ポイント】
 エポキシ樹脂は、硬化性に優れ、その硬化物が耐熱性と密着性を兼備することから、各種電子デバイス用の樹脂材料として使用されている。
一方、ベンゾオキサジン樹脂も加熱によって硬化、特異な架橋構造を形成し、更なる高耐熱性が発現することから、パワーデバイス用途への応用が期待されている。
 本発表では、これら樹脂の分子構造と耐熱性の関係を示すとともに、耐熱性と相反関係にある特性を兼備させる分子設計、更なる高耐熱化を実現させたエポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂をあわせて紹介する。

【プログラム】
1.はじめに (エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂とは)
2.エポキシ樹脂の分子構造と耐熱性の関係
3.耐熱性と相反する重要特性の解説
4.耐熱性と相反する諸特性を両立する分子デザイン
5.ベンゾオキサジン樹脂の分子構造と耐熱性の関係
6.更なる高耐熱化を実現する分子デザイン
7.まとめ

【質疑応答】


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