【講座概要】
各種レーザの特徴と今後の展開、レーザ溶接に関しては、溶込み深さとそれに及ぼすレーザパワーおよびパワー密度の影響、レーザとレーザ誘起プルームとの相互作用、レーザの吸収率と吸収機構、キーホール挙動と気泡(ポロシティ)またはスパッタの発生に及ぼす蒸発の影響、溶融池内湯流れ、溶接欠陥の発生機構などについて、高速度ビデオ観察結果、X線透視観察結果などを用いて詳細に説明し、理解できるようにします。また、最近注目のリモート溶接、スパッタ低減のためのビームモードの効果、銅(Cu)のレーザ吸収機構と溶接結果、レーザ溶接時のセンシング、インプロセスモニタリング、OCTによるキーホール深さ計測法、適応制御法の現状と展開、異種金属、金属とプラスチックまたはCFRPとのレーザ接合法、最新のレーザ溶接技術とそのトレンドなど、その注意点も含めて紹介します。レーザ溶接に関するあらゆる質問に回答し、その回答を通じて、さらに理解を深めるようにします。最終的には、レーザ溶接法の完全な理解と今後の展開が見えるようにします。
【受講対象】
レーザ溶接・接合を深く勉強・理解したい方
レーザ溶接・接合法を利用・応用展開したい方
レーザ溶接・接合において問題点・不明な点・わからない疑問点を持っておられる方
レーザ溶接・接合をものづくりや設計、販売などに生かしたい方
【受講後、習得できること】
1) 溶接用レーザの種類および特徴と動向
2) レーザ溶接現象の基本原理
3) レーザ溶接欠陥の発生機構と防止策、トラブル対策方法
4) センシング、モニタリングおよび適応制御の基本的な考え方
5) レーザ異材接合のポイント
6) 各種材料の特徴とレーザ溶接における注意点
7) レーザ溶接部の硬さや強度の見方と溶接欠陥の影響
【プログラム】
1.各種溶接・接合用レーザの特徴とその溶接溶込み特性、およびレーザの動向
1.1 レーザ(CO2、YAG、半導体、ファイバ、ディスクレーザなど)の種類、特徴と動向
1.2 溶接・接合用レーザの最新動向(ビームモード改良レーザ、青色半導体レーザ、
緑色(ディスク)レーザなど)
2.レーザ溶接のメカニズム
2.1 溶接における基本事項 (温度場、凝固ミクロ組織、残留応力と変形など)
2.2 レーザスポット溶接現象(キーホール挙動、溶込み、溶接性および欠陥に及ぼすパルス波形の影響)
2.3 レーザビード溶接現象(プルーム挙動、キーホール挙動、溶融池内湯流れなど)
2.4 レーザリモート溶接現象(溶込み特性、プルーム挙動とビームの相互作用など)
2.5 鉄鋼材料またはアルミニウム合金のレーザキーホール溶接時のレーザ吸収率とそれに及ぼす影響因子
2.6 銅のレーザ吸収率および溶接結果とそれに及ぼすレーザ波長、ビームモードおよびパワー密度の影響
3.トラブル(レーザ溶接欠陥)の種類・特徴と防止策
3.1 トラブル(各種溶接欠陥)の種類および発生因子と防止策
3.2 ポロシティの種類と防止策(鉄鋼材料(亜鉛めっき鋼)、軽金属、溶接条件など)
3.3 割れの種類と防止策 (アルミニウム合金、ステンレス鋼、凝固割れなど)
3.4 スパッタの発生・防止条件によるアンダフィルの発生と防止(各種金属材料とその影響)
3.5 鉄鋼材料またはアルミニウム合金のレーザ溶接部の硬さ分布の特徴
3.6 レーザ溶接継手の機械的特性に及ぼす各種因子(ポロシティなど)の影響
4.レーザ溶接時のモニタリングと適応制御
4.1 モニタリング手法
4.2 連続レーザによるビード溶接時のセンシングとモニタリング
4.3 パルスレーザによるスポット溶接時のインプロセスモニタリング
4.4 レーザスポット溶接時の適応制御とインプロセスリペアリング
4.5 レーザビード溶接時の適応制御
4.6 レーザ溶接時のキーホール挙動と深さ計測モニタリング
5.異種金属のレーザ溶接・接合
5.1 鉄鋼材料と各種金属のレーザ異材接合
5.2 軽金属(AlとMg)と各種材料(Znめっき鋼、Cuなど)のレーザ異材接合
6.金属とプラスチックまたはCFRPのレーザ直接接合
6.1 異種材料のレーザ直接接合方法
6.2 接合性の及ぼすレーザ照射条件の影響
6.3 レーザ接合機構
【質疑応答】 |