【講座概要】
現代の電子機器は、私たちの生活に欠かせない存在です。特にスマートフォンは、日々のコミュニケーションツールとして、またビジネスの現場でも中心的な役割を果たしています。そんな中、防水機能はもはや特別な付加価値ではなく、必須の基本機能となりました。この機能により、電子基板の保護が強化され、故障率が劇的に低下。製品の品質と信頼性が飛躍的に向上しています。
革新的な防水設計は、IoT/ICT機器の普及に伴い、ますます重要性を増しています。全てのスマートフォンが防水対応となった今、次世代の電子機器にも防水機能が標準装備される時代が到来しています。この波に乗り遅れないためにも、防水設計の確固たる知識と技術が求められています。
本セミナーでは、スマートフォンにおける防水設計の確立経験を基に、防水規格の基礎から応用までを網羅。さらに、軽薄短小を実現しつつ、防水構造を確立する方法、そしてスマートフォンだけでなく、様々な電子機器に応用可能な防水技術情報まで、幅広い内容をお届けします。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
【受講後、習得できること】
・防水規格IPについて
・防水設計
・最新防水技術
・防水開発プロセス
【プログラム】
1.電子機器と防水規格
1.1 電子機器と防水性
1.2 防水規格(防塵規格)
1.3 防水規格別の製品群
1.4 防水規格別の試験設備
1.5 防水規格を得るには
2.電子機器の防水構造設計の検討方法
2.1 筐体設計
2.2 キャップ・カバー設計
2.3 防水膜・音響部
2.4 スイッチ
2.5 防水モジュール(USB、スピーカーなど)
3.止水部品の設計
3.1 ガスケット、パッキン(一体型、ゲル使用)
3.2 Oリング(参照値と実使用)
3.3 防水両面テープ・接着剤
3.4 防水ネジ
4.防水筐体の放熱設計
4.1 なぜ放熱を考えるのか(密閉筐体による放熱特性の低下など)
4.2 放熱の3形態と熱伝導
4.3 低温火傷を回避するコツ
4.4 放熱材料の種類と選択方法
4.5 費用対効果を考慮した放熱設計
5.防水計算とCAEを用いた防水設計
5.1 ガスケット・パッキン止水と隙間の確認
5.2 両面テープ 濡れ性
5.3 スイッチの押し感(クリアランス⇔干渉)
5.4 放熱シミュレーション
6.エアリーク試験の設定と対策方法
6.1 エアリークテストの原理と測定方式(JIS
Z 2330:2012)
6.2 エアリークテストの方法と閾値設定の考え方
6.3 エアリークの原因解明と対策実施例
6.4 エアリーク試験機の種類と代表的な機器
7.防水設計の不具合例と対策
7.1 ガスケット設計と外観不具合
7.2 防水テープクリープ現象
7.3 防水膜のビビリ音
7.4 防水キャップ/カバーの操作感度
8.技術紹介・まとめ
8.1 TOM
8.2 撥水コーティング、ポッティング
8.3 防水テープ
8.4 防水膜
8.5 防水ネジ
8.6 TRI SYSTEM(筐体接合技術)
8.7 設計支援:一気通貫開発/フロントローディングプロセスの提案
【質疑応答】 |