【習得できる知識】
1.材料表面に吸着するタンパク質、接着する細胞の機構
2.材料に形成される水和状態の理解と制御方法
3.材料の水和状態制御による材料の機能化
【講座の趣旨】
優れたバイオ・医療製品を開発するためには、目的性能に応じて製品表面への細胞の接着・非接着およびタンパク質の吸着・脱離を制御する必要があります。本セミナーでは、製品化に成功した例を参考に、材料と生体成分の相互作用機構を、細胞レベル・分子レベルで解説します。次世代製品化に必要となるポリマー設計指針を議論します。
【講演項目】
1.医療製品用の合成高分子材料
1.1 親水性高分子
1.2 相分離型高分子
1.3 双性イオン型高分子
1.4 表面微細加工化高分子
1.5 製品化されている高分子の特長と課題
2.タンパク質吸着の評価
2.1 タンパク質の吸着量
2.2 吸着タンパク質の組成と構造
2.3 タンパク質の吸着と脱離の速度論解析
3.細胞接着の評価
3.1 細胞接着/非接着の評価
3.2 細胞(正常組織細胞、血球細胞、癌細胞、幹細胞)の接着と生体親和性
3.3 細胞接着の機構と細胞接着選択性
3.4 細胞−材料間相互作用の解析と制御
4.高分子表面物性の評価
4.1 高分子材料のバルク物性(機械的、物理化学的)
4.2 高分子材料の表面物性(最表面計測の重要性)
4.3 水環境下および生理環境下におけるバイオ界面(構造と運動性)
4.4 乾燥、水和表面の分析手法 (原理、分解能、サンプル調整方法、データ解析方法)
4.5 水和した材料表面の解析手法の選択方法
5.高分子バイオマテリアルの設計
5.1 高分子バイオマテリアルの分子設計の最新動向
5.2 生体分子、生体高分子と生体親和性合成高分子の共通点と相違点
5.3 生体親和性と生分解性を併せ持つ高分子の設計
5.4 低分子、高分子、有機、無機、イオン液体、
イオンと水の相互作用
5.5 優れた機能材料の簡便なスクリーニング方法
5.6 次世代医療・ヘルスケア・非医療分野への展望
6.新製品開発へ向けた市場の可能性と創出のポイント
6.1 医療分野で必要とされる材料のアンメットニーズと環境・エネルギー・電子・光材料開発分野との融合
6.2 再生医療の実現へ向けた新コンセプトの提案
6.3 中間水コンセプトの各種産業分野への応用と社会実装
【質疑応答】
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