軟磁性 材料 セミナー
        
次世代パワーデバイスに向けた高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
次世代高速・高周波伝送部材の開発動向
 
<セミナー No.505402>
【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★電磁鋼板の省資源化、圧粉鉄心の高磁束密度化、鉄基アモルファス合金の量産技術
モーターコア用軟磁性材料の磁気特性向上と
モーター小型高効率化

■ 講師
1. 愛知製鋼(株) 開発本部 部品開発部 EVモータ要素開発室 主査 博士(工学) 濱田 典彦 氏
2. 九州工業大学 工学研究院 物質工学専攻 マテリアル工学コース 准教授 博士(工学) 本塚 智 氏
3. ネクストコアテクノロジーズ(株) 取締役 CTO 金清 裕和 氏
■ 開催要領
日 時
2025年5月15日(木) 10:30〜16:15
会 場 ZOOMを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料 1名につき60,500円(消費税込・資料付き) 
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき55,000円(税込)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕
■ プログラム

<10:30〜12:00>

1.モータの小型化技術 〜珪素鋼板の部分非磁性改質技術によるロータの高磁力化〜

愛知製鋼(株) 濱田 典彦 氏

 

【本講座で学べること】
・ロータの高磁力化技術の経緯
・部分非磁性改質技術の開発状況と材料特性
・部分非磁性改質ロータの特性

【講座概要】
今後、自動車の電動化の進展によりモータの需要が高まる一方で、希土類、銅、電磁鋼板などの資源問題が懸念される。この課題を解決するには、モータの小型化による懸念材料の省資源化が有望だと考えられる。モータの小型化にはさまざまな手法があり、本講座では、部分非磁性改質によるロータの高磁力化の開発について解説する。

1.開発背景
 1.1 電動車の市場環境題
 1.2 モータの課題
 1.3 高磁力化技術の先行研究
 1.4 部分非磁性改質技術の開発コンセプト

2.部分非磁性改質技術の開発状況について
 2.1 プロセス検証と課題抽出
 2.2 凝固欠陥を抑制する成分と評価
 2.3 凝固欠陥抑制のメカニズム
 2.4 非磁性改質の磁気特性・強度特性の評価

3.部分非磁性改質ロータの技術実証
 3.1 ロータモデルについて
 3.2 コアシートの評価
 3.3 ロータの評価

4.まとめと今後の展望


【質疑応答】

<13:00〜14:30>

2.圧粉鉄心用の偏平軟磁性金属粉末の磁気特性および偏平粉の成形特性

九州工業大学 本塚 智 氏
 

【本講座で学べること】
・ボールミル処理による軟磁性鉄粉の組織制御
・偏平鉄粉の磁気特性
・偏平鉄粉の成形特性

【講座概要】
モーター用の鉄心においては、電磁鋼板を積層して製作される積層鉄心が圧倒的なシェアを占めているが、表面に絶縁皮膜を有する、鉄を代表とする強磁性体粉末を圧縮成形した圧粉鉄心も関心を集めている。圧粉鉄心は等方的な磁気特性、三次元的な磁気回路の設計が可能、高周波で低損失、破砕が容易でリサイクル性が高いといった特徴を持つ。しかし、鉄粉の形状に由来する反磁場のために磁束密度が高まりにくいことや、成形性を考慮するとSiなどの磁気特性を改善するが硬度も高めてしまう元素を添加しにくく、電磁鋼板と比較してヒステリシス損特性に劣る等の理由から、圧粉鉄心は積層鉄心と比較してシェアを広げられていないのが現状である。講演者らの研究グループは圧粉鉄心の原料として純鉄粉末に着目し、その磁化容易軸を制御することによって、磁束密度の向上や損失の低減に取り組んでいる。一方、ポスト電磁鋼板として期待されている新材料がナノ結晶合金である。ナノ結晶合金は電磁鋼板と比較してヒステリシス損を70%以上低減することが可能であり、損失の点では他の材料の追随を許さない。一方、合金であることには違いないので、磁束密度では純鉄に劣る。我々の開発している磁化容易軸を制御した純鉄粉末は、現状の電磁鋼板にやや劣る低損失特性を電磁鋼板並みに引き上げ、磁束密度を電磁鋼板とナノ結晶合金に対して上回ることを目標にしている。また、高周波では、板厚の薄いナノ結晶合金や圧粉鉄心は、電磁鋼板と比較して渦電流損失が抑制されるので、相対的に純鉄粉末の損失は電磁鋼板よりも低いものとなる。本講演ではこのような磁化容易軸を制御した軟磁性粉末の創出とその評価について概説する。

1.はじめに

2.ボールミル処理による鉄粉末の偏平化と変形集合組織の形成
 2.1 ボールミル処理の特徴
 2.2 ボールミル処理による金属粉末の磁化容易軸の配向と粉砕助剤の効果
 2.3 ボールミル処理による金属粉末の磁化容易軸の配向の原理

3.磁化容易軸を制御した鉄粉末による圧粉鉄心の創出とその磁気特性
 3.1 変形集合組織を形成した鉄粉末の再結晶挙動
 3.2 磁化容易軸を制御した鉄粉末の成形
 3.3 磁化容易軸を制御した鉄粉末から創出したリングコアの組織と磁気特性

4.偏平鉄粉の特異な圧縮成形特性


【質疑応答】


<14:45〜16:15>

3.次世代高効率モータ向け鉄基アモルファス積層コアの開発

ネクストコアテクノロジーズ(株) 金清 裕和 氏
 

【本講座で学べること】
1.モータ向け鉄基軟磁性材料の開発手法
2.溶湯急冷技術
3.溶湯急冷合金薄帯の打抜き・積層技術
4.低鉄損軟磁性材料を用いたPMモータの性能
5.磁性材料市場を取り巻く中国の現状
6.モータリサイクル

【講座概要】
鉄基アモルファス合金は、既存モータコア材である電磁鋼板に対して鉄損が1/10以下であるため、モータ効率の向上が期待されるが、急冷合金薄帯の製造においては種々の操炉パラメータの最適化が必須である。本講座では、高Bs・低鉄損を有する軟磁性材料「HLMET」の開発を含めた鉄基アモルファス合金の量産技術、並びに引張強度2,000MPa、硬度900HV、伸び1%という鉄基アモルファスの機械的特性から、プレス打抜き加工すると、パンチ破損や打抜き材が割れてしまうなどの技術課題について積層コアの試作例を挙げ対策手法を紹介する。
加えて、鉄基アモルファスコアの適用による重希土類フリー磁石の活用が拡大およびモータのフルリサイクル等の副次的な効果、並びに今後のモータ市場における対中国戦略も絡めて解説する。

1.ネクストコアテクノロジーズ株式会社

2.PMモータを取り巻く現状

3.PMモータの高効率化

4.重希土類フリー磁石の活用(対中国安全保障の観点から...)

5.モータ向け鉄基アモルファス合金の開発

6.鉄基アモルファスの高Bs化

7.高Bs・低鉄損軟磁性材料の開発

8.高Bs・低鉄損軟磁性材料「HLMET」の諸特性

9.アモルファス積層コアの生産技術

10.アモルファスおよびHLMETの用途展開

11.中国におけるモータ向けアモルファス積層コアの現状

12.モータリサイクル

13.まとめ


【質疑応答】


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