遮音 制振 セミナー
        
自動車室内の静粛性向上と、 防音・防振技術、材料の開発
車室内空間の快適性向上と最適設計技術
 
<セミナー No.505424>
【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★ 軽量性と静粛性を両立するには? 自動車用防音材料に必要な音響性能を詳解!

遮音・吸音・制振材料

軽量化と自動車室内静粛性の向上


■ 講師
1. 三井化学(株) 高分子・複合材料研究所 フロンティアサイエンスG 中川 博 氏
2. フォスター電機(株) 開発部 主査 工学博士 胡 月 氏
帝人(株) Composites Business Unit Composites Business Sales and Marketing Department 左 亦根 氏
3. (株)KRI スマートマテリアル研究センター 主席研究員 羽山 秀和 氏
4.

(株)HOWA NV開発部 上級スペシャリスト 加藤 大輔 氏

■ 開催要領
日 時

2025年5月26日(月) 11:00〜16:30

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき66,000円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込み)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
         詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

■ プログラム

<11:00〜12:00>

1.吸音・遮音のメカニズムとNVへの取組み

三井化学(株) 高分子・複合材料研究所 フロンティアサイエンスG 中川 博 氏

 

【講演概要】
自動車や建築業界で昨今音響メタマテリアルの研究開発が盛んにおこなわれています。その理由は、従来の吸音材・遮音材だと対策が難しい周波数帯域に対して適用できる可能性を有しているからにほかなりません。ただ、音響メタマテリアルを用いるとはいえ、そこで発現する吸音や遮音のメカニズムや正しい評価法をしっかり理解しておくことは非常に重要です。このセッションでは、吸音・遮音の基本的な考え方に加え、吸音材や遮音材の内装としてよく用いられる多孔質材料の吸音メカニズムについて紹介したうえで、吸音・遮音性能の代表的な計測方法およびその注意点についてご説明と、不織布・ウレタンをはじめとした当社の NV 関連素材について紹介します。


1.自己紹介・会社紹介

2.吸音・遮音の基礎
 2.1 吸音、遮音と音響メタマテリアル
 2.1 吸音、遮音とは
 2.2 吸音:反射、インピーダンス
 2.3 遮音:質量則、剛性則、コインシデンス、二重壁

3.吸音・遮音性能の測定方法
 3.1 吸音率・透過損失
 3.2 音響管を用いた吸音率・透過損失測定、測定の注意点
 3.3 残響室を用いた吸音率・透過損失測定、測定の注意点

4.多孔質材料の吸音メカニズム
 4.1 多孔質材料中の音波の振る舞い
 4.2 毛細管モデル
 4.3 Rigid frameモデル、Limp frameモデル、Biotモデル


【質疑応答】


<13:00〜14:00>

2.熱可塑性ガラス繊維複合材料を用いた車ドアパネルの制振軽量化技術

フォスター電機(株) 開発部 主査 工学博士 胡 月 氏
帝人(株) Composites Business Unit Composites Business Sales and Marketing Department 左 亦根 氏

 
 

【講演概要】
本講座では、自動車室内の静粛性向上 をテーマに、遮音・吸音・制振技術の最新動向 を解説します。特に、EV化の進展に伴う軽量化と騒音問題の両立 に焦点を当て、最適材料の選定とトポロジー最適化を活用した設計手法 について詳しく紹介します。


【PRポイント】
軽量化と静粛性の両立:軽量高剛性材料「GFRTP」の活用で、車両の軽量化と快適性向上を実現。
トポロジー最適化による最適設計:振動抑制と音響性能を向上させるため、最適な形状設計を実施。
測定技術・解析手法:透過損失測定や振動モード解析、音響特性評価の実例を詳しく解説。
実証データに基づく最適設計:試作・実験結果から、アルミより7%、鉄より54%軽量なGFRTPを採用し、音響性能向上を達成。

【受講対象】
自動車メーカー・部品メーカーの技術者
材料メーカーの開発担当者
NVH(騒音・振動)関連のエンジニア

【受講後習得できること】
EV時代の遮音・吸音・制振技術の基礎
FRTPを活用した軽量・高剛性設計
トポロジー最適化によるドアパネル設計手法
振動・音響特性の測定・評価技術
実践的な解析・測定手法を学び、軽量化と静粛性を両立する設計のヒントを得られます!



1.背景・目的

2.ドアパネルを模擬した測定用ボックス
 2.1 実ドアパネルの測定関連
 2.2 測定用ボックスの製作 

 
3.振動騒音対策
 3.1 ドアインナーパネルのトポロジー最適化及び最適な材料の選定
 3.2 振動モード確認
 3.3 音響性能の確認


4.まとめ

【質疑応答】


<14:15〜15:15>

3.シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合材の軽量遮音材への応用

(株)KRI スマートマテリアル研究センター 主席研究員 羽山 秀和 氏
 

【講演概要】
地球温暖化対策の省エネはもちろん、自動車の電動化により冷暖房に費やす電力の削減やスマホなど電子機器の薄型・軽量化のための熱マネージメントの重要性など優れた断熱材へのニーズが大きくなっています。また、自動車のEV化、自動運転技術の発達に伴い、車内エンターテイメント性が求められ、ますます静粛性が重要になっています。
 従来の遮音材は、質量が大きいほど遮音性が高くなる性質を有しているため、遮音材を車に使用することで自動車の重量がふえ、燃費の悪化や運動性能に大きく影響を及ぼすので、大量に遮音材を使用することが難しいのが現状です。空気分子の運動を抑制するシリカエアロゲルとナノメートルオーダーの細いセルロースナノファイバーを複合化することで空気よりも断熱性が高いシートや物理法則である質量則に従わない軽くても優れた遮音性の材料を開発しました。
 本セミナーではその技術的特徴や応用の展望・可能性までを解説します。
音を通さない遮音は、重い材料ほど優れているという物理法則(質量則)に従わない、16分の1の軽さで同等の遮音性を有する材料を開発しました。自動車のみならず、航空・宇宙への展開が期待できます。


【受講対象】
断熱材の開発者および熱マネージメントを必要とする製品の開発者
遮音材の開発者および音響制御を必要とする製品の開発者
セルロースナノファイバーの研究開発者および応用展開に興味のある方
技術のアウトソーシングや受託研究に興味のある方

【受講後習得できること】
新しい遮音材開発のアプローチ


1.シリカエアロゲルとは

2.セルロースナノファイバーとは

3.シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー水分散液の作製と特徴

4.空気より優れた断熱性の紙(シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体)

5.防音について
 5.1 吸音、遮音、防振、制振
 5.2 音響透過損失と吸音率
 5.3 騒音レベルと音の大きさの目安
 5.4 垂直入射音響透過損失の測定


6.不快音を遮断し心地よい音を通すユニークな音響材(周波数選択フィルター)
 6.1 シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の音響特性
 6.2 不織布などに含浸した周波数選択フィルター


7.物理法則に従わない軽量遮音メタマテリアル
 7.1 軽量遮音メタマテリアルの音響特性
 7.2 質量則と軽量遮音材の音響透過損失の比較


【質疑応答】


<15:30〜16:30>

4.ノイズキャンセリング機能を有する防音材料開発

(株)HOWA NV開発部 上級スペシャリスト 加藤 大輔 氏
 

【講演概要】
一般的な自動車用防音材料の音響性能を紹介し、目標とすべき音響透過損失と吸音率を解説する。 このことを踏まえ、必要な遮音性能を確保しつつ、実車において軽量化、及び車室内騒音の低減を実現できた防音構造を紹介する。 更に、この防音構造について伝達マトリクス法により理論的な考察を加え、その音響的メカニズムを解説する。

【受講対象】
自動車室内における防音材料の音響評価・開発に携わる方
防音材料について情報を収集したい方

【受講後、習得できること】
自動車室内の防音材料に必要な吸音率と音響透過損失の理解
防音材料の音響的な理論、メカニズムの理解


1.自動車用防音材料に必要な音響性能
 1.1 音響透過損失
 1.2 吸音率


2.新防音構造
 2.1 ノイズキャンセリング機能を有する防音構造
 2.2 遮音性能の確認
 2.3 実車による性能確認


3.伝達マトリクス法による理論的考察
 3.1 周波数応答
 3.2 体積速度


【質疑応答】


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