フィルムの乾燥とプロセスの最適化、トラブル対策 セミナー
        
塗工液の調製、安定化とコーティング技術
マイクロ波の工業応用 事例集
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<セミナー No 601232>

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★ ゆず肌、異物、風ムラ、発泡、白化などが起こる原因とその対策! 実例とともに解説いたします!

フィルムの乾燥とプロセスの最適化、トラブル対策


■ 講師
AndanTEC 代表 浜本 伸夫 氏
■ 開催要領
日 時

【Live配信】2026年1月14日(水) 10:30〜16:30

【アーカイブ(録画)配信】 2026年1月23
日まで受付(視聴期間:1月23日〜2月2日まで)

会 場 Zoomを利用した Live配信 または アーカイブ配信 ※会場での講義は行いません
セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき 55,000円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき49
,500円〕

〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

■ プログラム
【習得できる知識】
・Roll To Roll製造における乾燥現象の考え方
・乾燥工程の設計方法
・乾燥設備の違いと特徴
・高分子膜の溶剤調湿
・実験室から量産にスケールアップする際の留意点など


【講座の趣旨】
機能性フィルムをRoll To Rollのウェット工程で製造する際、塗って乾かす工程が必ず必要になる。この中で、乾燥工程は膜質に大きく影響し、新製品開発をスケールアップして量産機で試作しても、少量品の品質性能を再現しにくい一因である。このセミナーでは「乾燥プロセスのイメージ作り」ができるよう、乾燥現象のツボを難し過ぎず解説する。基礎理論を紹介した上で、演習ツールを活用して、実際の乾燥条件の計算方法を紹介する。更に風ムラやベナールセルなど塗工品で発生する面状トラブルの原因と対策についても解説する。

1.はじめに


 1.1 はじめに
 1.2 「減率乾燥」と「限界含水率」
 1.3 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)
 1.4 フィルムが利用されている製品は?
 1.5 製品に占めるフィルム要素
 1.6 フィルムの構成要素 〜 厚みと層数 〜
 1.7 塗る 〜 溶かした液を塗る (Dry厚 ÷ 濃度=Wet膜厚)
 1.8 開発のステップ
 1.9 実験室とRoll To Rollの違い
 1.10 乾かし方も色々
 1.11 日常生活で関わる乾燥
 1.12 家庭の乾燥機器
 1.13 乾燥の支配因子
 1.14 このセミナーの進め方

2.【基礎編】 乾燥設備と溶媒の寄与


 2.1 乾燥風の供給方法 (並列と直列)
 2.2 乾燥風の供給方法 (並行流)
 2.3 乾燥風の吹き出し方式 (二次元ノズル) 
 2.4 乾燥風の吹き出し方式 (多孔板) 
 2.5 乾燥風の吹き出し方式 (浮上系) 
 2.6 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)
 2.7 乾燥に関わる物性値
 2.8 水系の乾燥速度
 2.9 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
 2.10 比エンタルピー(=潜熱+顕熱)
 2.11 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱
 2.12 他の溶媒との違い (2) 飽和蒸気圧
 2.13 他の溶媒との違い (3) 飽和蒸気圧と温度
 2.14 各溶媒の空気線図
 2.15 等湿球温度線 (1)水はLewis近似式
 2.16 等湿球温度線 (2) Colburn-Chiltonの相関
 2.17 物質と熱の拡散(ルイス数)
 2.18 乾燥に関わる物性値 (蒸発潜熱の見積もり)
 2.19 飽和蒸気圧の温度依存性 (アントワンの式)
 2.20 アントワン式の定数A,B,Cは沸点と飽和蒸気圧(常温)で見積もる
 2.21 アントワンの式による推算例 (NMP, DMF, DMA, DMSO)
 2.22 有機溶剤系のガス濃度:爆発下限界(Lower Explosive Limit)基準
 2.23 LEL基準ガス濃度による膜面温度の見積もり (エタノール, NMP, DMF, DMA, DMSO)

3.定率期間と減率期間


 3.1 限界含水率と固形分濃度
 3.2 乾燥中の膜内の溶媒移動
 3.3 減率乾燥の実測 (水〜PVA)

4.【演習】 乾燥計算の練習 (第1ラウンド)


 4.1 風量の影響
 4.2 湿度の影響
 4.3 風温の影響
 4.4 溶媒の影響

5.減率乾燥速度


 5.1 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2〜2/3)
 5.2 乾燥係数をN=1にすると?(収束しない)
 5.3 減率乾燥を実測で見積もるために
 5.4 減率乾燥を実測で見積もる手順
 5.5 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)
 5.6 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)
 5.7 2成分系の減率乾燥(MEK+トルエン)
 5.8 2成分系の室温乾燥(MEK+シクロヘキサノン)
 5.9 2成分系の溶媒比率 (MEK+EB)
 5.10 2成分系の乾燥挙動
 5.11 2成分系の乾燥見積もり
 5.12 粒子〜高分子の混合系 (SiO2+PVA)
 5.13 共沸混合物の乾燥

6.乾燥設備


 6.1 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)
 6.2 乾燥方式と伝熱係数
 6.3 各方式の能力比較
 6.4 乾燥効率の支配因子 (噴流)
 6.5 噴流の距離と減衰
 6.6 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)
 6.7 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算
 6.8 多孔板の孔形状
 6.9 幅要因 (どこで排気するか?)
 6.10 風の分配と風向 (傾斜ノズル)
 6.11 フローティング (浮上系)
 6.12 風の取り回し (直列と並列)
 6.13 風の取り回し (品質と省エネと投資)

7.【演習】 乾燥方式と必要な炉長 (第2ラウンド)


 7.1 並行流
 7.2 二次元ノズル
 7.3 多孔板
 7.4 複合ゾーン

8.乾燥起因の面状トラブルと対策


 8.1 ベナールセル(ゆず肌)
 8.2 ベナールセル(マランゴニ効果に影響する物性) 
 8.3 ベナールセル (マランゴニ数による診断) 
 8.4 ハジキ (メカニズム)
 8.5 クリーン化による異物対策
 8.6 クリーン度を維持する換気と風速
 8.7 塗工室の換気が誘発する風ムラ
 8.8 レベリングの理論(Orchard 式)
 8.9 塗工室の換気による風ムラのレベリング
 8.10 塗工室のクリーン化に必要な換気頻度
 8.11 工程クリーン度の診断
 8.12 工程クリーン度の診断例
 8.13 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス
 8.14 塗工室の気流の数値解析
 8.15 塗工室内の要因と気流のシミュレーション
 8.16 塗工室前後の差圧の影響
 8.17 気流の履歴
 8.18 数値計算結果まとめ
 8.19 乾燥初期の風ムラ (風速の影響) 
 8.20 乾燥初期の風ムラ (風温の影響) 
 8.21 風ムラ対策 (遮風)
 8.22 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)
 8.23 レベリング (基板の凹凸ムラ)
 8.24 乾燥中の発泡トラブル対策
 8.25 白化現象の原因と対策
 8.26 マイグレーションによる白化(封止層)
 8.27 マイグレーションによる白化(鹸化工程)
 8.28 不相溶による白化(表面保護フィルム)
 8.29 延伸による白化(ボイド)

9.調湿(膜中の残留溶媒の調整)


 9.1 残留溶媒の調整 (絶乾と調湿)
 9.2 調湿時の含水率履歴
 9.3 調湿曲線の表現方法
 9.4 平衡含水率と湿度
 9.5 調湿の支配因子(風速に依存せず)
 9.6 調湿の支配因子(湿度と温度)
 9.7 表面抵抗による簡易評価
 9.8 乾燥炉内の調湿

10.赤外線乾燥


 10.1 赤外線の分類
 10.2 LIB生産効率の課題
 10.3 熱風との比較
 10.4 Roll To Roll工程への適用例
 10.5 近赤外線波長制御ヒータ(NIR型)
 10.6 波長制御 乾燥炉
 10.7 近赤外線乾燥の水の低温乾燥
 10.8 赤外線乾燥炉の特許事例

11.実験室のホットプレート乾燥


 11.1 ホットプレートの加熱助走時間
 11.2 ホットプレート(ヒートロール)におけるバッチ乾燥
 11.3 接触熱抵抗の影響(数値計算の例)
 11.4 橘・佐野川の式による接触熱抵抗の見積もり
 11.5 接触熱抵抗の文献値
 11.6 ホットプレートの乾燥試算 (DMFで試算)
 11.7 熱風でホットプレート同様に100℃乾燥すると? (DMFで試算)

12.Roll To Roll製品の主な異物課題


 12.1 光学フィルム(輝点・白ヌケ)
 12.2 粘着フィルム(ゲル・硬化不良)
 12.3 離型フィルム(ハジキ)
 12.4 バリアフィルム(ピンホール)
 12.5 バッテリー材料(アルミ電極の延伸オイル除去)

13.Roll To Roll工程のクリーンルーム・風ムラとの両立


 13.1 クリーン度の分類(ISOとUS規格)
 13.2 異物のサイズと種類(人由来・基材・設備由来)
 13.3 クリーンルームの歴史(マクロから住み分けへ)
 13.4 各工程のクリーンレベル(基材・塗工・乾燥)
 13.5 空調換気の頻度(部屋サイズと風量)
 13.6 半導体工場との違い(作業者の介入)
 13.7 塗工室の換気が誘発する風ムラ
 13.8 塗工室のクリーン化に必要な換気頻度
 13.9 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス
 13.10 塗工室の気流のFVM解析による可視化
 13.11 気流の履歴
 13.12 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)
 13.13 塗工室の気流問題
 13.14 クリーン化と換気頻度

14.静電気対策


 14.1 なぜ必要か?(静電気で舞う異物・表面抵抗の目安)
 14.2 なぜ帯電するのか?(接触帯電と帯電列)
 14.3 帯電を逃す方法(アース・表面抵抗・自己放電)
 14.4 帯電を打ち消す方法(静電印加によるイオン風)
 14.5 除塵器の配置(基材・周辺金属との距離)
 14.6 帯電させない方法(基材の素材設計による表面抵抗低減)

15.作業者の無塵衣と装着品


 15.1 クリーンウェア(繊維・除電・着付け)
 15.2 アンダーウェア(肌着・靴下)
 15.3 手袋(内外)
 15.4 保護帽(不織布とハンモック)
 15.5 顔の保護(マスク・メガネ)
 15.6 靴(静電チェック・靴底汚れ)
 15.7 無塵衣の保管(換気・除菌・洗濯)
 15.8 筆記用具(無塵紙・ペン)
 15.9 通信機器(携帯箇所)

16.着替えフロー


 16.1 脱衣更衣室(外着から無塵アンダーウェアへ)
 16.2 クリーン更衣室(無塵衣の装着)
 16.3 洗浄(手袋・靴底)
 16.4 エアシャワー(ノズル向きと基本姿勢)
 16.5 粘着マット(有効な設置箇所・よくある間違い)
 16.6 脱衣と廃却(使い捨てとリサイクル)

17.オンライン工程によるクリーン化


 17.1 全体像(発塵回収か総仕上げか)
 17.2 巻き出し(ジャンボロール・アキュムレーターでの帯電)
 17.3 パスローラー(ラップ角・テンション・斜行対応の影響)
 17.4 除塵(異物種に適した湿式・乾式)
 17.5 除電(印加と自己放電の使い分け)
 17.6 調送液(均一混合とフィルタリング)
 17.7 塗工(換気と風ムラのトレードオフ)
 17.8 乾燥(クリーンエアの供給)
 17.9 UV硬化(急な温度変化とシワ)
 17.10 端部処理(エッジカット・ナーリング・除電)
 17.11 保護フィルム貼合せ(ゴムロールの発塵)
 17.12 面状検査機(検出方法と感度)
 17.13 巻き取り(ニップロール・イオン風)
 17.14 隣接工程との関係(前室・圧力バランス)

18.オンライン洗浄


 18.1 超音波除塵(給排気・幅対応・ギャップ調整)
 18.2 湿式除塵(浴比・滞留時間・脱水乾燥)

19.オフライン工程のクリーン化


 19.1 作業者スペース(操作盤・PCの設置箇所・床の色)
 19.2 製品・機器の搬入出力(巻出し〜巻取り分離・LGV・梱包作業)
 19.3 空調(ヘパフィルターの位置と数)

【質疑応答】