「月刊PHARMSTAGE」2024年12月号プレビュー

【特集】 〜今,GMP・CMC担当者が知っておきたい最新知識〜
      医薬品品質試験における生データの取り扱いと申請対応

生データとしての電子記録の取り扱いとDI対応

蜂谷 達雄  電子規制対応アドバイザー

1.はじめに

 規制対応業務における生データの取り扱いについては,注意が必要であることは言うまでもない。特にGMP領域,CMC領域のように製品の品質に対するリスクに直接影響を与えるデータを取り扱う領域は,より適切に取り扱うことが要求されることになる。
 ここでは,そうした適切に取り扱うことが要求される生データのうち,電子データ(電子記録:規制要件等の法律用語としては「電磁的記録」であるが,ここでは一般的に汎用される「電子記録」を用いる)の取り扱いおよび電子データに対するデータインテグリティ対応のポイントを振り返る。


2.歴史から振り返る承認申請に係るデータの信頼性

 それまで紙で作成され,運用されていた業務プロセスを電子化していく上では,「手作業をコンピュータ化システムに置き換える場合,結果として製品やデータの品質,業務プロセスの管理レベル,品質保証が低下してはいけない。また,作業全体のリスクが増加してもいけない。」。これは,コンピュータ化システムに関して記載したPIC/Sの Annex111)のPRINCIPLEに記載されている。電子化するからと言って,ハイレベルの規制対応を求めているのではなく,適切なレベルの対応を要求しているにすぎないことを理解頂きたい。
 GMP領域およびCMC領域における業務においても,規制対応に係る業務において生成される電子記録に対しては,規制当局から発出されている規制要件への適合が要求される。いわゆる電子的規制と呼ばれるもので,1997年に発出されたFDAのPart112)は,電子記録および電子署名に関する規制の代表とされる。日本においても,いわゆるER/ES指針3)が2005年に発出されている。
 各規制当局への提出資料等に使用される電子記録に関しては,各規制要件を確認した上での対応が要求されるが,ここでは,ER/ES指針の内容から少し紹介する。

2.1 ER/ES指針

 電子化に対するリスク対応として,ER/ES指針において電子記録に対して要求される管理としては,コンピュータ化システムバリデーションによる対象システムの信頼性確保を前提条件として,「真正性」,「見読性」,「保存性」の各事項があり,それらの確実な対応が必要となる。

(1)真正性
 真正な記録のための要件として,記録としての意味と内容が正しく本物であること,記録作成者・操作者が明確であること,記録作成・操作の時間が正しいこと等が求められる。
 これらの要件を実現するためには,「セキュリティ管理」,「監査証跡」,「バックアップ」の要件への対応が必要であるとされる。


参考文献

1)PIC/S, “GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXES”, Annex 11 “Computerised systems”, (2013年1月1日)
2)FDA, 21 CFR Part11 “Electronic Records, Electronic Signatures”(1997年3月20日)
3)厚生労働省 医薬食品局長通知,『医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について』,薬食発第0401022号(2005年4月1日)

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 『生データの定義と実験ノート・ワークシート・データファイルの取扱い』
  https://www.gijutu.co.jp/doc/magazine/p_2024_12_H05.htm

 『承認申請に求められるデータの品質とその生データの取り方・保管 』
  https://www.gijutu.co.jp/doc/magazine/p_2024_12_H06.htm

医薬品 電子記録 生データ データインテグリティ 専門誌


 

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